クルーズ船で集団感染、いま警戒すべき「ハンタウイルス」とは

「クルーズ船と感染症」という言葉から新型コロナを連想する方も多いでしょう。

5月5日、大西洋を航行中のクルーズ船「MVホンディウス」でハンタウイルスの集団感染が発生したというニュースが報じられました。
報道によると、乗客3人が死亡。南アフリカの保健当局は6日、患者から「アンデス型」のウイルスを確認したと発表しました。


これはハンタウイルスの中で唯一、ヒトからヒトへの感染を引き起こす型として知られています。
日本では馴染みが薄い名前ですが、世界的には重篤な症状を引き起こす感染症として警戒されています。

◆感染の原因と症状
ハンタウイルスは、主にアカネズミなどの「野ネズミ」が保有しています。
厄介なのは、ウイルスを持つネズミ自身は健康に見えるため、見た目では危険を判断できない点です。
人間への感染は、ネズミの排泄物を含んだホコリを吸い込んだり(吸入感染)、直接触れたりすることで起こります。
症状は地域により異なり、南北アメリカでは致死率の高い急激な呼吸困難(肺症候群)、アジアやヨーロッパでは発熱や腎不全(腎症候性出血熱)を引き起こすのが特徴です。
【感染例】
アルゼンチン(2018年〜2019年)の事例では、密接な接触により30人以上が感染し、11人が亡くなっています。

◆日本の現状と予防の鉄則
幸い、現時点(2026年5月)まで、日本国内でアンデス型が確認されたり、持ち込まれたりした事例は一度も報告されていません。
日本に生息するネズミがアンデス型を保有している事実もありません。
しかし、アジア近隣諸国や北米では今も発生しており、渡航時には注意が必要です。

予防の基本は「ネズミに近づかない」こと。
特に古い物置の掃除や農作業の際は、以下の3点を徹底しましょう。

〇舞い上げない:乾燥した排泄物を掃くとウイルスが空中に舞うため、必ず湿らせてから拭き取る。
〇触れない:野生のネズミや死骸には絶対に素手で触れない。
〇守る:清掃や作業時はマスクと手袋を必ず着用する。

海外での流行は気がかりですが、感染源が明確な疾患であるため、正しい知識を持っていれば過度に恐れる必要はありません。
今後も公式な検疫情報などを注視し、冷静に対応していきましょう。

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