冬だけのごちそう、「寒」が付く魚の話

冬になると、魚屋やスーパーの鮮魚売り場で「寒ブリ」「寒サバ」といった表示を目にすることがあります。
この「寒(かん)」という一文字には、日本の食文化ならではの季節感と、最も美味しい時期を知らせる意味が込められています。
「寒」とは、二十四節気の「寒の入り」から立春前までの、一年で最も寒さが厳しい頃を指します。
この時期の魚は、冬の冷たい海で身を引き締め、体にたっぷりと脂を蓄えます。
そのため、同じ魚でも冬に獲れたものは味わいが格段に深くなり、特別に「寒○○」と呼ばれるようになりました。

代表的なのが寒ブリです(大好物です!)。
冬の日本海で育ったブリは、身に霜が降りたように脂が入り、刺身でも焼き物でも格別の味わいになります。
寒サバもまた、脂のりの良さで知られ、しめ鯖や味噌煮にすると旨みが一層引き立ちます。
白身魚では寒ヒラメや寒カレイが有名で、身が厚く、淡泊ながらもしっかりとした甘みを感じられます。
さらに、寒マグロ寒イワシ、鍋料理に欠かせない寒ダラなど、冬ならではの「寒の魚」は数多くあります。
中でも寒ダラの白子は、この季節だけの贅沢な味覚として多くの人に親しまれています。

「寒」が付く魚の魅力は、単なる旬の美味しさにとどまりません。
寒い季節に脂ののった魚を食べることは、栄養面でも理にかなっており、体を内側から温め、冬を元気に過ごす助けにもなります。
忙しい日常の中でも、旬の名前に少し目を向けてみると、食卓から季節を感じることができます。
この冬は、ぜひ「寒」の付く魚を選び、日本の冬の味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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