冬に多くなる病気「腸ねん転」

冬に多い病気としては、インフルエンザやウイルス性胃腸炎(ノロウイルス・ロタウイルス)などの感染症、心筋梗塞や脳卒中といった循環器疾患がよく知られていますが、実は腸ねん転や腸閉塞も冬に増える傾向にあることは、あまり知られていません。
ある調査では、冬期(12月~2月)の発症数は、夏期(6月~8月)に比べて約1.5倍から2倍近くに増えるという報告があります。
特に、便秘をきっかけに発症する腸ねん転は、冬に多くなる傾向がみられます。

◆腸ねん転の主な症状
・突然起こる激しい腹痛
・腹部の張りや強い膨満感
・吐き気、嘔吐、便秘(おならや便が出なくなる)
◆重症化した場合のサイン(腸管壊死の兆候)
・腹痛がさらに強くなる
・腹部が硬くなるなど腹膜炎の症状
・血圧低下や意識障害などのショック状態
・血便の出現
◆冬に腸ねん転が増える理由
・水分摂取量が減り、便が硬くなって腸がねじれやすくなる
・寒さで腹部の血流が低下し、腸の動き(ぜん動運動)が乱れやすくなる
・活動量が減り、腹筋への刺激や体の振動が少なくなることで、便が停滞しやすくなる
◆リスクが高い人
・男性(女性の約3倍以上という報告もあります)
・70~80代の高齢者(全体の半数以上を占める)
・慢性的な便秘がある人
・長期臥床の人
・過去に腸の手術歴があり、癒着がある人
◆致命率
・腸が壊死していない場合:約1~7%
・腸が壊死・穿孔している場合:約20~50%
※早期に発見し、内視鏡などでねじれを解除できれば、救命率は非常に高くなります。

「いつもの便秘だろう」と自己判断して受診が遅れるケースも少なくありません。
我慢して様子を見るのではなく、異変を感じたら早めの受診が大切です。

実は先日、近所に住む89歳の男性が腸ねん転で救急搬送され、その後お亡くなりになりました。
歩いて救急車まで向かわれたと聞き、まさか翌日に訃報を聞くとは思いませんでした。
改めて、早期発見・早期治療の重要性を痛感させられる出来事でした。

「お腹の強い張り」「ガスがまったく出ない」「激しい腹痛」

この3つが揃った場合は、ためらわず、できるだけ早く医療機関を受診してくださいね。

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