「資生堂」が過去最大の赤字 原因は「女性従業員比率が高い職場」だから?

2025年12月期、資生堂は最終損益520億円の赤字という衝撃的な業績予想を発表しました。
もともとは60億円の黒字を見込んでいたことから、まさに「急転直下」の展開です。

この赤字の背景には、いくつかの構造的な要因が存在します。

以下に主なものを整理してみます。

◆赤字の背景にある構造的な要因
1.米州事業の減損損失
過去のM&Aによって取得したが期待通りの成果を上げられず、「のれん」の減損が発生しました。
2.中国市場の失速
景気の後退や現地の台頭により、売上が大幅に減少しました。
3.インバウンド需要の低迷
日本国内の免税店売上が伸び悩み、収益に影響を与えています。
4.戦略の硬直化
高価格帯に集中しすぎた結果、中価格帯や日用品市場での競争力を失ってしまいました。
5.希望退職の実施
構造改革の一環として、国内子会社を含めて200人規模の人員削減に踏み切りました。

こうした要因が複合的に重なり、資生堂は大きな転換点を迎えています。

ところで、一部では「女性従業員比率が高いことが赤字の原因ではないか」といった声も聞かれます。
しかし、これは根拠のない誤解
資生堂では、従業員の約82%が女性であり、女性管理職比率も国内で37.3%、グループ全体では58.3%と高い水準にあります。
2030年までに管理職の男女比を「50:50」にする目標も掲げています。
ただし、美容職を除けば男女比はほぼ均等であり、性別構成が業績に直接影響しているとは考えにくいのが実情です。
むしろ、このような多様性のある組織こそ、変化に強い企業に変貌する可能性を持っていると思います。
資生堂の赤字は、経営判断や市場環境の変化によるものであり、性別構成に責任を求めるのは筋違いのようです。

資生堂と同様に「介護事業」も女性比率の高い業種です。
人材不足や経営の厳しさなどの問題を抱えています。
厳しい環境ですが、介護は社会に絶対に必要な仕事です。
「変化に強くなる多様性」に期待しましょう。

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